安積道也 コーラス・ワークショップ2025「ドイツ語宗教曲を歌う」

ドイツ語宗教曲をエキスパートから学ぶ

ハイデルベルク教会音楽大学合唱指揮科教授・安積道也先生によるコーラス・ワークショップを今年も開催いたします。
メンデルスゾーンとレーガーのドイツ語宗教曲2曲を、ドイツの音楽大学で教鞭をとる宗教音楽のエキスパートの指揮で歌いながら学ぶことができる貴重な機会となります。多くの皆様のご参加を心よりお待ち申し上げます。

《講師からメッセージ》
宗教作品を“ただ歌う”だけで終わらせたくない方へ。
ドイツで合唱指揮を教える教会音楽家の視点から、作品の背景やテキストの意味、作曲家の信仰に深く触れながら、「音と言葉の関係」に真正面から取り組む合唱ワークショップです。
今年は、ドイツ・ロマン派を代表する二人の作曲家の宗教的作品を取り上げます。

🔹 F. メンデルスゾーン《Richte mich, Gott（詩編43編：神よ、私をさばいてください）》op.78-2
このモテットは、ベルリン大聖堂の礼拝のために書かれた作品で、さまざまな制約のもとに作曲されながらも、内容・音楽の両面において起伏に富んだ傑作です。メンデルスゾーンは、意図的に古い音楽形式を用いつつ、限られた音数で当時最先端の音楽表現を実現しており、その手腕が光ります。教会と社会の情勢、そしてテキストと音楽との関係を踏まえながら、美しいだけではない、深い精神性を宿す音楽を、皆さんと共に体験していきましょう。

🔹 M. レーガー《Unser lieben Frauen Traum（我らの愛しき聖母の夢）》op.138-4
マックス・レーガーは、ドイツ後期ロマン派を代表する作曲家で、敬虔なカトリックの家庭に育ち、その深い信仰に根ざした音楽を生涯にわたり書き続けました。本作品は、彼の晩年の合唱曲集《八つの宗教的歌曲》op.138 に含まれる一曲で、一見するとマリア賛歌のようですが、内容はむしろ、母マリアが夢の中で予見する救い主イエスの生涯を、重厚に描いたものです。ロマン派に特徴的なルバートや、強弱とフレーズの関係、またその中でのドイツ語の扱い方や複雑なイントネーションの実践を通して、レーガーの内面世界に迫ります。
発音、テキスト解釈、様式感、作曲家の信仰的背景など、限られた3時間の中でも、合唱団に持ち帰っていただける視点と技術を数多く提供いたします。すぐに音楽に取りかかれるよう、音取りは各自でお願いします。発音についてはワークショップ内で丁寧に取り上げますので、ドイツ語が初めての方もどうぞご安心ください。
東京で皆さまにお会いできることを、心より楽しみにしております。

ドイツ・ハイデルベルク教会音楽大学合唱指揮科教授・安積道也

講座概要

お申し込み

定員：100名　（S30　A30　T20　B20）
※「受講申込をする」ボタンより進んだ先のページで、ご希望のパート（ソプラノ・アルト・テノール・バス）を選んでお申込みください。
パート内で1,2に分かれる箇所は任意のパートをご準備ください。どちらでも良いという方は、当日バランスをみて調整にご協力いただければ幸いです。

連動企画

若手合唱指揮者支援プログラム～ Stonebase Program ～ 助成対象講座
安積道也合唱指揮マスタークラス2025「言葉を振る２」

日程　2025年8月15日(金) ～ 17日（日）
会場　目白教育ホール（東京教育専門学校 目白本館地下）
東京都豊島区目白2-38-4（JR山手線「目白駅」より徒歩1分）
レッスン曲
Byrd: Ave verum corpus
J.S.Bach: "Weg mit allen Schützen!" aus "Jesu meine Freude" BWV 227
L. Mozart: Gloria aus Missa brevis C-Dur KV 115
Monteverdi: Lasciate mi morire
Brahms: Waldesnacht op. 62,3
Brahms: Dein Herzlein mild, op. 62,4
Bárdos: Libera me
千原英喜：《おらしょ》より I※楽譜の入手方法は受付時にご案内いたします。

「若手合唱指揮者支援プログラム ～Stonebase Program～」の詳細は、コチラをご覧ください。

講師プロフィール

安積道也（あづみ・みちや）

安積道也　指揮者
シュトゥットガルトおよびフライブルク音楽大学で教会音楽科A課程と合唱指揮科大学院を最優秀で修了。ドイツ国家資格・教会音楽家A級（最高位）取得。2004年、第1回バイロイト合唱指揮者コンクール優勝。合唱指揮をM.シュルト＝イェンセン、D.クルツ、H.M.ボイエレ、オーケストラ指揮をS.サンドマイヤーに師事。
2009〜2019年、西南学院音楽主事を務め、オラトリオ作品に特化した「オラトリオ・アカデミー」を設立。全国で指揮・指導・講演活動を展開。教会音楽の理論と実践を専門とし、アカペラから大規模オラトリオまで幅広いレパートリーを持つ。元エリザベト音楽大学非常勤講師、キリスト教礼拝音楽学会元理事。
2020年よりハイデルベルク教会音楽大学合唱指揮科教授。指揮科責任者として教会音楽家の育成と合唱音楽の発展に尽力。大学室内合唱団を率い、マンハイム室内管弦楽団やラルパ・フェスタンテらと共演。「ハイデルベルク春の音楽祭」におけるバッハ《マタイ受難曲》など客演多数。毎年、プロジェクト・リーダーとして宗教音楽に関する音楽祭を音大で企画・演奏（2024年：八歌集Achtliederbuch出版500年／コラール・カンタータ300年記念事業など）。現在、同大学室内合唱団およびフィグラル・コーア・ノイエンハイム室内合唱団常任指揮者。