三ヶ尻正オンライン講座
《メサイア》 その成り立ちと英語歌唱の実際 (全2回)

《メサイア》は本当に宗教曲なのか―?

ヘンデル、オラトリオ研究者として、また発音指導者として全国各地の合唱団から引っ張りだこの三ヶ尻正先生を講師にお招きし、《メサイア》について、その成り立ちの背景、音楽上の構成、そして言葉の視点から学ぶオンライン講座です。いつの日かまた《メサイア》を高らかに歌うことができる日に備えて、《メサイア》のことをもう少し深く知ってみませんか?

講座概要

講座タイトル  《メサイア》その成り立ちと英語歌唱の実際

講師 三ヶ尻 正
日程 2021年 
3月14日(日) 第1回 《メサイア》の成り立ちとその設計図
3月28日(日) 第2回 《メサイア》のディクション(歌唱発音)
時間 各回とも10時30分~12時(90分)※受付開始30分前
受講料 3,000円+税
使用楽譜 セミナーは、Novello社のヴォーカルスコアに基づいて進められます。
※他社の版でもご参加いただけます。
※楽譜はパナムジカでお求めいただけます。(パナムジカコードGH0511A)
参考テキスト ヘンデルが駆け抜けた時代 ~政治・外交・音楽ビジネス(春秋社)
「メサイア」ハンドブック(ハンナ)
※テキストは必須ではありませんが、
お持ちになると講座の理解が深まるでしょう。
※パナムジカでお求めいただけます。

※このオンラインセミナーは、Zoomの「ウェビナー」システムを利用して行います。受講者は音声、ビデオともオフの状態での参加となります。

※PC、iPad、iPhone、Androidなど様々なデバイスからご参加いただけます。
事前に Zoom アプリをインストールいただく必要があります。(Zoomへのアカウント登録は必須ではありません。)

※ご登録完了後、参加方法を記載したメールがお手元に届きます。
お申込み後、2日経ってもメールが届かない場合は、弊社までご連絡ください。携帯電話の迷惑メールフィルターの設定で、@zoom.us / @choruscompany.com からのメールを「受信する」にしてください。

※受講者にはセミナーの模様を録画した動画を限定公開いたします。リアルタイムで参加できない方もそちらにて受講いただけます。動画のご案内は、セミナー終了後2日程度でご案内のメールをお送りいたします。

※オンラインセミナーに初めて参加される方のために無料のテストセミナーを随時開催しております。詳しくは弊社までお尋ねください。

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受講

参考テキストのご案内 ※テキストは必須ではありませんが、お持ちになると講座の理解が深まるでしょう。


ヘンデルが駆け抜けた時代 ~ 政治・外交・音楽ビジネス
三ヶ尻 正 著
出版社 春秋社
ISBN 9784393932124
判型・ページ数 4-6・224ページ
定価 本体2,100円+税
目次
はじめに フィルターを取り払ってみれば……
序 章 ヘンデルの生きた時代
第1章 旧来のヘンデル像
第2章 オラトリオ《メサイア》に隠されたメッセージ
     ――反政府勢力のプロパガンダ?
第3章 《水上の音楽》の伝説を見直す
     ――ヘンデル・スパイ説?
第4章 オペラ《ジュリアス・シーザー》の謎
     ――忠臣にされた政敵セスト
第5章 政治とオペラ・オラトリオ
     ――時事問題エンターテインメント
第6章 音楽家の才能とは?
     ――バロック音楽家の就職活動と転職
第7章 バッハと政治・外交の関わりを推理する
     ――「音楽の父」の意外な野心
第8章 ヘンデルと政治の出会い
     ――スペイン継承戦争に翻弄されるイタリアで
第9章 史上初のフリーランス作曲家として
     ――イギリスの政情とヘンデル
第10章 ヘンデルの伝記を読み直す
おわりに 「音楽の母」ヘンデルってどんな人?

エージェント? プロデューサー? はたしてその正体とは――?

「音楽の母」とも呼ばれ、《メサイア》の「ハレルヤ・コーラス」などで有名なヘンデルは、「音楽の父」バッハと同じ年に似たようなドイツの地方都市に生まれながら、バッハ以上に国際的にも経済的にも異例の成功を収めた「勝ち組」音楽家だった。
スペイン継承戦争に翻弄されるイタリアやジャコバイト問題に揺れるイギリスなど、権謀術数渦巻く欧州を渡り歩き、あるときは敵対勢力の情勢を探るエージェントとして、またあるときは民心を操る名プロデューサーとして、数々のオペラやオラトリオを世に残してきた音楽家ヘンデルの実像を、できるだけ当時の視点から見つめ直す。


「メサイア」ハンドブック ~ 演奏者・鑑賞者のために 発音・文法・解釈・日本語訳
三ヶ尻 正 著
出版社 ハンナ
ISBN 9784883640911
判型・ページ数 B5判・130ページ
定価 本体1,400円+税
目次
はじめに
I.   序章 ヘンデルの生涯と「メサイア」
II.  「メサイア」のテキストとその英語
III. 「メサイア」の英語の文法
IV.  「メサイア」の英語の語彙
V.  「メサイア」の英語の発音
VI.  「メサイア」全曲の歌詞解説(概要)
VII. 「メサイア」全曲の歌詞解説(本文)
あとがき
参考文献

ヘンデルのオラトリオ「メサイア」は日本でも広く親しまれ、プロ・アマチュアを問わず演奏回数の多い曲です。英語で書かれているので、日本人にも親しみやすい歌詞ではありますが、とはいえ今から300年以上も昔のテキストなので、現代の英語と多少の違いがあるのも事実です。辞書で単語を調べても出ていなかったり、歌詞についてイギリス人やアメリカ人、あるいは海外生活経験者に訊ねても、答えが一様でなかったりするのはこのためです。
 日本の声楽家や合唱指導者には、イタリア語やドイツ語のできる人は多いのですが、 必ずしも英語に明るい人は多くない、という事情もあり(それも古い英語ではなおさらです)、一見簡単な「メサイア」を難しく感じさせていると思います。
この冊子では演奏や鑑賞の一助とするために、「メサイア」の英語について簡単に説明します。
「メサイア」以外のヘンデルのオラトリオや、パーセル、バード、ギボンズ、ダウランドの曲で歌われる英語も大体が同じ時代のものです。

この冊子の後半には「メサイア」の中の曲を一曲ずつ取り上げ、歌詞対訳、発音の手引き、文法や解釈についての注釈、原典となった英語の聖書や日本語聖書との対比を掲載しました。実際に演奏するにあたって、歌詞の意味を理解したり、発音を調べたりするガイドになればと思い作ったものです。筆者の考えでは、演奏に携わる人は、たとえそれがアマチュアの合唱団であれ、学校の音楽の教師・生徒であれ、プロのソリストであれ、指揮者であれ、いちいち辞書を引いて、自分なりに歌詞の理解の努力をすべきだ、と思っていますが、何しろ「メサイア」は膨大な上、決してやさしくはありません。このような手引きがあれば何らかの手助けになるだろうと考えました。
独唱曲や合唱曲を抜粋して歌う人が、演奏する箇所だけを見る場合も想定して、その曲のページだけ開いても、発音や文法、解釈がある程度わかるように配慮したつもりではありますが、できれば、この本を手にとられた方は、少々退屈でも13ページから25ページまでの、テキストと英語に関する部分は通読していただきたいものです。現代の英語との違いの全体像を理解することで、より歌が親しみやすくなれば、と思います。さらにできれば、CDやレコードを聞きながら、本書後半の各曲の解説を順番に見ていただくと、一回通して聞く時間だけで「メサイア」全体を俯瞰(ふかん)でき、テキストの概要をわかっていただけるのではないか、と期待しています。(著者まえがきより)

【お求めはパナムジカでどうぞ】
https://www.panamusica.co.jp/ja/product/4795/

講師プロフィール

三ヶ尻 正 (みかじり ただし)

1962年京都生れ。東京大学文学部英文科卒。 英米文学のほか、英語学、英語史、ドイツ語、音声学、美学、音楽史などを学ぶ。ヘンデル研究・オラトリオ研究、声楽家の発音指導(英・独・羅)、字幕・対訳制作に従事。オラトリオの歴史に関する講演、オペラ台本の政治史的解釈に関する講演で好評を博す。発音指導ではテキストの解釈や韻律法に加え、音声学に基づいた科学的アプローチに、字幕・対訳では原典のことばを大切にしたわかりやすい日本語訳に定評がある。
著書・訳書に『ヘンデル 創造のダイナミズム』(共訳、日本ミュージック・ペンクラブ音楽賞受賞)、『「メサイア」ハンドブック』『ミサ曲・ラテン語・教会音楽ハンドブック』『歌うドイツ語ハンドブック』『音楽家の英語入門』など多数。最新刊『ヘンデルが駆け抜けた時代~政治・外交・音楽ビジネス』も好評。
現在新国立劇場オペラ研修所講師(ドイツ語発音)、国立音楽大学大学院非常勤講師。日本音楽学会、日本ヘンデル協会、日本イタリア古楽協会会員。